【藤井薫が語る】売上をアップするために取り組むべき対策とは

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今回お届けするテーマはずばり「売上アップ対策」です。経営者にとって、売上を上げたいというのは、古今東西、共通のテーマです。麺専門店として、売上を上げるために取り組むべき対策について、今回は深く迫ってみます。
A.売り上げアップの3つの方法

大きく分けて、皆さんのお店の売上を上げる方法は次の3つだけです。

1.一回も来たことのないお客さまをお店に呼び込む

2.今来てくれているお客さまのリピート率を高める

3.今来てくれているお客さまの客単価を上げる

以上の3つの対策のうち、「1.一回も来たことのないお客さまをお店に呼び込む」のためには次の2つの要素が重要です。

[要素1]初めて来店したお客さまにとって、入りたいと思える外観になっていること。
[要素2]囗コミ・ネット・メディアに載るような話題性があること。

要するに、高い商品力・サービスカ・店舗力が磨き込まれていて、際立って他店と差別化された話題性がなければ、新規のお客様は見込めないということです。
この2つの要素のベースになっているのは、後述する「コンセプトの良さ」です。

「2.今来てくれているお客さまのリピート率を高める」のために一番有効な対策は、顧客価値を高めることです。

「3.今来てくれているお客さまの客単価を上げる」のためには、2と同じく、高い商品力・サービスカでの顧客価値を上げることが欠かせません。

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B.コンセプトの明確化による売り上げアップ対策

これは売上アップ3つの方法(上記Aに記載)のうち、最初の1を解決する方法です。一見、回り道のように見えますが、コピー博士の「7つの習慣」の第二領域【重要であるが、緊急ではない】に相当する、売上アップの一番の近道です。コンセプトのベースになるのは、あなた自身の価値観であり、使命です。価値観が最初にあって、次が価値観に基づく使命であり、次が使命に基づくコンセプトです。
まず、あなたが過去どんな価値観で生きてきたのか、現在どんな価値観を持っているのか、あなたの価値観を挙げてみてください。そして、価値観の中身だけではなく、順序が大切です。

たとえば当社が香川県JR坂出駅内で経営しているモデル店「亀城庵」の場合、価値観は以下の通りです。

1.美味しさへのこだわり
2.無添加・無化調・安全・健康へのこだわり
3.盛り付けの美しさへのこだわり
4.楽しくて、温かい応対(高いサービスーレベルヘのこだわり)
5.地域への貢献

コンセプトは「峠の茶屋」で、すなわち、その地域のランドマークであり、JRで旅する人たちのオアシスであり、早さ・安さには、一切こだわっていません。このの価値観をスタッフ全員で共有出来ていることが大切で、スタッフ間で異なる価値観を持っているとお客さまに正しい応対が出来ないのです。店内のスタッフ全員が足並みをそろえ、一貫性ある同じ価値観を持っており、同時にこれらの価値観が、ターゲットであるお客さまの抱えている問題を解決していることが大切なのです。

まずは、スタッフ全員で価値観の確認をしてみてください。そしてその価値観が今来ていただいているお客様の問題をきっちりと解決しているかどうか、今一度深く考えてみてください。このポイントが明確化されれば、新たにお客様を呼び込む為にしなければならない事が自然とわかるようになってきます。

 

C.トップを目指すことで、結果として目標の売り上げを達成する

1.トップを目指すこと

ほとんどの経営が伸び悩んでいる店舗の店長は売上を何とか1割伸ばしたいとか、5万円上げたいという要望は持っていますが、「トップを目指そう」は考えていません。売上を1割伸ばしたり、5万円上げることは、トップになれば簡単に解決出来るのに、トップを目指していないのです。

トップと言っても、日本一を目指すのではなく、商圏内で地域一番店を目指すのです。まず狭い商圏内でトップになり、商圏を広げていけば良いのです。狭い商圏でもトップになると、お客さまの反応が変わってきます。例えば、「日本で一番高い山は?」と質問すれば、ほとんどの人は「富士山」と答えることが出来ます。しかし、「日本で2番目に高い山は?」と質問すると、ほとんどの人は答えることが出来ません。何かで1番になるとは、そういうことなのです。

 

2.トップになった場合のメリット

何かに一番になれば目立ちますし、以下のようなたくさんのメリットがあります。

①トップになると、価格など基準を決めやすくなる
2位以下はトップに従う。

②仕事がやりやすくなる
仕入れ先の注目が集まり、良い商品が安く入手できるようになる。良い人材が集まりやすくなる。さまざまなメディアに取り上げてもらいやすくなり、広まりやすくなる。

③良いお客さまが集まってくる
お客さまの信頼が増し、さらに、売上が上がりやすくなる。

④良い情報、必要な情報が集まるようになる

最初に良い情報が集まる。

⑤仕事の基準が高くなる
組織の中で、これがトップと言える仕事かとなり、仕事の質が上がる。

⑥組織のスタッフに自信と誇りが出来る
やっと、努力が報われた…と従業員が思うようになり士気が上がる。

⑦名前が通り、ブランド価値が上がる
ビジネス活動は、ブランド価値を上げ続ける活動。

⑧周囲の人達の見る目が変わってくる
視界が良くなり、今まで見えなかったものが見えてきて、気付かなかったことに気付くようになる。

⑨利益が出やすくなってくる
さまざまな相乗効果の結果

⑩努力と成果、行動と成果の比率が変わってくる
同じ行動をしても、成果が上がりやすくなってくる(売上と利益が上がりやすくなる)。
以上のようにトップになれば目立ち、たくさんのメリットがあります。これらは実際に当社が経験したことで、トップになると、すべての問題が一度に解決し、良いことづくめになるのです。
そして、ほとんどのライバル店はトップを目指していないので、トップを目指すとトップになれる確率は非常に高いのです。松田聖子のように、歌手になった人は歌手を目指した人だけです。東大に入学した人は、東大を目指した人だけです。たった1回しかない人生ですから、思い切り生きてみてはいかがでしょうか?

 

 

3.トップを目指す3つの価値基準

私は起業した当初から業界トップを狙っていましたが、なかなかトップになれませんでした。それはトップになる方法を知らなかったためです。トップになるには、次の3つの価値基準の中から1つだけを選ぶことが必須です。選んだ1つの価値基準にフォーカスし、残りの2つの価値基準は平均点以上に保つことが更に大切なのです。

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①オペレーショナルーエクセレンス

オペレーショナルエクセレンスとは、生産方法や販売方法の改善を目指すアプローチのことです。スピードやコスト優位性により競合他社との差別化を図る戦略です。
〈注記〉オペレーショナルーエクセレンスを目指すことが出来るのは、規模が大きい場合だけで、新規開業者や規模の小さい店はオペレーショナルーエクセレンスを絶対に目指してはいけません。要するに、「旨い・安い・早い」は目指してはいけないのです。

〈事例〉マクドナルド、セブンーイレブン等のコンビニエンスストア、丸亀製麺、吉野家等。このオペレーションを改善して利益を上げる戦略が一番フィットしているのは、ランチ価格帯が約500円前後のビジネスです。

 

②製品リーダー
絶えず最新で価値の高い製品・サービスを提供し続けることで競争優位性を保ち、イノベーション追求型で常に新しい製品・サービスにより高い価値を提供し続けることにより、競合他社が模倣しにくい状況をつくり出す戦略です。
〈注記〉常に95点以上の高いレベルの商品力を保ち続けることが必要です。
〈事例〉美登利総本店、回転寿司根室 花まる等。この戦略が一番フィットしているのは、ランチ価格帯が700円~2000円程度のビジネスです。

〈参考〉商品力においては、最近はインターネットサイト『食ベログ』の点数が参考になります。『食ベログ』での評価は。3.0点付近は非常に悪く、3.5点付近が平均点で、4.0点以上が非常に良いと考えてください。

 

③カスタマー・インティマシー
顧客ロイヤルティを築き上げることに焦点をあて、顧客との親密さを強化し、販売力を高めると共に、顧客からのフィードバックを改善に活かすアプローチで、他社ブランドヘの乗換えが生じにくい状況を生み出す戦略です。

〈注記〉常に95点以上の高いサービスーレベルを保ち続けることです。
〈事例〉カシータ、リゴレット等。この戦略が一番フィットしているのは、ランチ価格帯が2000円以上です。

 

もし、あなたのお店の価値基準は①を重視していた場合、ライバルは大手チェーン店やコンビニになっているはずです。従って、現在の飲食ビジネス業界で、麺専門店が最も取らなければいけない戦略は、②の商品リーダーであり、商品力で勝負する戦略がベストなのです。商品力は95点以上の高いレベルに保ち、①と③については、平均点以上であることが重要。80点レベルは保持したいところです。個人事業主のお店や、運営を開始して間もない飲食店が、コンビニや大手チェーン店と価格の競争をして勝てるはずがないのです。コンビニや大手チェーン店がコントロールできない分野でお店を発展させましょう。

 

 

 

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