【藤井薫が語る】いま、飲食業が迎えている「時代の転換期」を考察する

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全国を回り気付いた飲食業界が迎えている変化
最近、全国の当社のユーザー様や麺学校の卒業生の店舗を見て回ると、次のような事実に気づかされました。

男性のサラリーマンをターゲットにしている店ほど苦戦し、女性客やシニア客をターゲットにしている店ほど善戦しているのです。

飲食業界を良く考察してみると、現在の外食産業は「お手軽」から「上質」へ、「サラリーマンーターゲット」から「女性客とシニア客ターゲット」へと変化しています。

要するに「早い≒安い≒旨い」から、価格が高くても「高い品質」「高いサービス」へと、本来の食のあるべき姿に近づきつつあるのです。
飲食業界の変化を見るのに一番参考になり、世の中の変化をリードしていると感じさせられる場所があります。

それがコンビニエンスストアの「セブンーイレブン」の弁当売り場や、「デパ地下の食品売り場」です。セブンーイレブンも現在はカフェやスイーツ(ドーナツ等)に力を入れて、本気で外食の分野へ進出しているということがよく分かります。

 

大手チェーン店の現場から飲食業界の変化を見る

最近の大手チェーン店の現場から世の中を見てみると、次のようなことが分かります。

牛丼業界は、何年か前までは激しい価格競争の世界で、すき家に軍配が上がっていたが、今は反対に、すき家が低迷。吉野家が上質で価格の高い「牛すき鍋膳」で復活している。

ハンバーガー業界では、価格破壊を仕掛けたトップのマクドナルドが苦戦。価格破壊には頼らず、一貫性を持って上質方向を守った、2位のモスバーガーが非常に善戦している。

過去、デフレの時代は価格破壊という言葉が横行し、価格の安い食べ物が一時成功したように見えたために、多くの飲食業者が価格競争に走った。価格競争に走ったほとんどの会社が業績を落とし、路線変更したり、消えてしまっている。

全国チェーンではないが、茨城県の「坂東太郎」や函館の「ラッキーピエロ」は少子高齢化を逆手に取り、女性客やシニア客を集めて非常に成功している。

総人口の減少よりも、生産年齢人口が大幅に減少した日本では、女性客やシニア客をターゲットにした方がサラリーマンをターゲットにするよりも、はるかに成功する可能性が高い。これは日本だけの事例ではなく、外食の分野で世界をリードしているアメリカ市場を見ても、世界市場を見ても、同様のことが言える。

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お客さまを集めるために我々がすべきこと
日経ビジネスーオンラインで、以前紹介されていた面白い図があります。消費者の価格帯におけるポジションを表した表をご覧ください。

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この表の中で、麺店を経営するうえで、小さい規模の業者、個人事業主が、絶対にターゲットにしてはいけないのは、価格フォーカス層と、それ以下の対象外の層です。逆に、最もターゲットにすべき層は品質フォーカス層で、次がバリュー・フォーカス層です。品質フォーカス層をターゲットにするのであれば、当然、一番磨かなければいけないのは、お客さまのニーズに合った高い品質です。ここで一番重要なことは、。お客さまのニーズに合ったと言うことなのです。
たとえば、お客さまは常に、「日替わり定食を出して欲しい」「~~をして欲しい」等の要望(ウォンツ、Wants)を口に出します。当社も以前に、お客さまから「新しいメニューを教えて欲しい」というご要望をいただき、新しいメニュー提案をし続けていた時期があるのですが、あまり人気がなく、そのうちに取り止めてしまった経緯があります。

したがって、お客さまがすでに気付いて、口に出して要望するウォンツに対応しても、意味が無いことがよく分かります。我々が対応すべきはニーズです。

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ニーズを探り出し、それをお客さまに実際に見せた時に、「これが欲しかった!」「これを待っていた!」と言われる、ニーズへの対応が必要なのです。お客さまが、既に自分で気付いているのはウォンツであり、まだ気づいていない、深い潜在意識にある要望(ニーズ、Needs)を探し出さねばならないのです。これは非常に難しいことなのですが、これが出来ている会社だけが、ビジネスの世界で大成功を収めているのです。
たとえば、現在ではお店に来るお客さまの、おそらく半数以上は健康に何らかの問題を持っていたり、健康を気にかけています。しかし、お客さまは一切、お店に来て「健康に良い食事を出して欲しい」とは言わないのです言にわない代わりに、健康に良くない食事を避け、健康に良い食事を出している店を選んだりしているのです。ただし、健康に気を付けている女性客も、肉を好きな人が多いので、ここは問違ってはいけません。

 

 

お客さまを集める重要な要素
次に、お客さまを集めているのは、楽しいお店です。これも、「楽しくして欲しい」と声に出して言うお客さまはいないのですが、楽しいお店には、お客さまが集まっているのです。

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お客さまが自分で調理する焼き肉店等も、楽しい店のジャンルに入ります。
あるいは、健康志向の自然派レストランのビュッフェなども、好きな料理を選ぶ楽しさを提供する店です(ついつい食べ過ぎるので、健康志向でありながら、あまり健康的ではなくなっているのです
が…)。さまざまな美味しそうな寿司が、次々とコンベアに載って流れてくる回転寿司も、楽しさを提供する店の一種です。
丸亀製麺のような実演自家製麺も、待つ間に製麺工程を見て楽しむ「楽しさ」を提供する店ですし、坂東太郎も家族で行って、たくさんのメニューから選ぶ楽しさを提供しています。ラッキーピエロの、ビックリするような迫力のあるボリュームのメニューも、お客さまを楽しませてくれます。

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したがって、これからの時代は、食事に楽しさを提供することが重要事項になってきているのです。

 

お客さまを集めている店に共通していること

次に、お客さまを集めて成功している店に共通しているのは、

QSCが行き届いていることです。

uality = 品質

ervice = サービス

leanliness = 清潔

qsc

【成功している店のQSC】
●品質
美味しさはもちろん、見た目のきれいさや商品としての完成度の高さで、95点以上の高いレベルが要求される。
●サービス
女性客をターゲットにしている店ほど、高いレベルを要求される。
●清潔感
掃除が行き届き清潔感があるのは、飲食店としては当たり前。

反対に、お客さまが少なくなっている店に共通しているのが、QSCのレベルの低さです。不味がったり、サービスが悪かったり、衛生基準が低い店には誰も行きたくないはずです。
そして囗本の99%程度のお客さまは、不快に感じても黙ってお金を払って帰るので、お店の人たちは、お客さまの不満を理解していません。
売上が少しでも落ち始めたら、お客さまが不満を持っていると思って間違いないのですが、ほとんどの店主は、売上が落ち始めても景気のせい程度にしか、気にしていないのが実情です。
これはチェーン展開している会社も同様であり、既存店の売上が減少し始めたら、黄信号が赤に変わったと気づくべきなのです。既存店の昨年対比の売上比率が、お客さまの反応なのです。
集客数を増やし売上げをあげる方策とは
さらに、お客さまが求めているのは価値(Value)の高さで、簡単に言えば、(商品力÷価格)です。
繁盛している店を通じて、お客さまの行動を詳しく観察すると、お客さまのニーズが見えてきます。来て欲しいと思うお客さまの普段の行動を見ていると、自店内にいるだけでは分がらなかった、隠れたニーズが透けて見えてくるのです。自店だけにいて、自店に来るお客さまの行動だけをいくら観察していても、まだ白店を利用していない、ほとんどのお客さまのニーズは分かりません。したがって、集客数を増やし、売上を上げるための一番の方策は、自店を利用していないお客さまのニーズを理解するために、外に出て、外の空気を吸うことなのです。

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そして、自分白身了世の中で起きていることの真実を理解するべきです。真実はお客さま‘にしかないのですから。「現地」「現物」「現実」の3現主義を常に実行することが重要なのです。

以上より、食の世界がますます複雑になり、高度なものになっていることが分かります。まさしく、私か以前から皆さまにお話ししている、「飲食ビジネス=料理×アート×サイエンス×ユーモア×哲学」となり、複雑さを増しているのです。

 

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