【藤井薫が語る】増税に負けない店作りを考える

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消費税は2014年4月からそれまでの5%から8%になり、全国すべての飲食店が影響を受けています。
そこで今回は、消費税が上がっても十分に勝てる店作りについて検討を加えていきます。

1.まず、日本の環境の現実を理解する

①市場の縮小

まず、下記の図1をご覧ください。

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日本の生産年齢人口(15歳~64歳)は1995年をピークに年12%減少しています。生産年齢人口は消費人口でもあり、消費活動に一番大きな影響を与えています。その中で、唯一人口が増えているのは65歳以上の人口で、これからも増え続けると考えられます。女性の社会進出も増加しており、これからのターゲットは女性とシニア世代になってきます。その層をターゲットにしての麺ビジネスは、決してお手軽志向ではなく上質志向です。

 

②世帯の形態の大きな変化
図2は、現在の国内の世帯数の割合を表した図です。現在では3人以上の世帯数が全体の激減しており、全体の約60%は1~2人世帯なのです。従って、場所によっては4人掛けのテーブル席を並べると、回転率が落ちてしまうのです。特に、4人掛けテーブルが並んでいる居抜きの店舗を利用して、そのままで営業すると殆どうまくいかないのが現状ですのでご注意ください。

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2.消費税アップを吹き飛ばす力をつける

①トップを目指す

どんなに小さい市場でも、市場のリーダー(トップ)を目指し、執着しなければいけません。私も製麺機ビジネスに参入した当時から、トップを目指していました。だからトップになれたのです。あなたも、その市場、地域でのトップを目指しませんか?トップになるには次の3つの価値基準の一つだけに焦点を当てて、取り組むことです。

【A】オベレーショナルエクセレンス
〈生産方法や販売方法の改善を目指すアプローチで、スピードやコスト優位性により競合他社との差別化を図る方法〉で、お手軽志向です。ただし、これを目指すことが出来るのは、規模が大きい場合だけで、新規開業者等の、規模の小さな店はオペレーショナル・エクセレンスでチェーン店と勝負しても勝てません。つまり小規模で「旨い、安い、早い」は目指してはいけないのです。事例は、マクドナルド、コンビニエンスストア、丸亀製麺等です。

 

【B】製品リーダー
〈イノベーション追求型で、新しい製品・サービスで高い価値を提供しつづけること〉により競合他社が模倣しにくい状況をつくり出します。ただし、常に95点以上の高い商品力を保ち続ける必要があります。事例は、美登利寿司、はなまるうどん等です。

 

【C】カスタマー・インティマシー
〈顧客ロイヤルティを築き上げることに焦点をあて、顧客との親密さを強化し、販売力を高めるとともに、顧客からのフィードバックを改善に活かすアプローチ〉で、他社ブランドヘの乗換えが生じにくい状況を生み出します。ただし、常に95点以上の高いサービスレベルを保ち続けることです。事例は、カシータ、リゴレット等です。

 

②客数を増やし続ける方法を知る

【A】新規客を取り込む方法

あなたが一度も入ったことのない店へ入るのは、どのような場合でしょうか?事前に情報が無い場合は、おそらく店の外観で選んでいるはずです。店の外観も内装も、店主がお店を作る最初において、店にまつわる形あるものはすべて、コンセプトがベースになって出来ています。
あるお客さまにとって心地よい店でも、そのコンセプトを受け入れられないお客さまにとっては、決して居心地がいい店ではないのです。

例えば、スターバックスは「第三の場所」がコンセプトとなり、あの外装・内装が出来上かっています。そして、スターバックスの外装・内装・商品・サービスが心地よいと思えるお客さまの心を掴んでいます。したがって、一度も来たことのないお客さまの心を掴むには、そのお客さまに合ったコンセプトが大切なのです。ですから、どのようなお客さまを集めたいかによって、コンセプトはまったく異なります。もっと言えば、コンセプトによって集まるお客さまは異なるのです。あなたのお店では、「来て欲しいお客さま」を明確にしていますか?一番悪いのは、老若男女すべてを対象にしている店です。あるいは「うどんだったら何でもいい!安ければいい!」というようなお客さまは絶対に集めてはいけないのです。コンセプトと、「来て欲しいお客さま」を明確にすることが繁盛の第一歩です。

 

【B】既存客の来店頻度を上げる方法

初めてあなたのお店に来店されたお客さまが繰り返し来店するかどうかを決めるのは、価値の高さです。
下記の公式で、価値が高くなるにしたがって、リピート率が高まります。

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パーフォーマンスとは、商品力、サービスカ、店舗力等のレベルの高さです。コストとは、お客さまが支払う対価です。要するに、とびきり美味しかったり、接客レベルが高かったり、店の内装・外装が優れていればいるほど、価値は高まり、リピートの頻度は高まり、リピートの頻度は高まります。

また、値段が安いほど価値は高まります。しかし価格を下げるのは限度があり、大手飲食チェーンでも値下げで成功している事例はほとんどありません。したがって、価格を下げて価値を上げるのではなく、パーフォーマンスを上げて価値を上げるべきなのです。次に、うどん蕎麦店では、一般的に非常に低い原材料比率、例えば20%前後の原材料比率の店があります。一般的には、このような原材料比率では、厳しい外食ビジネスの競争に耐えることが出来なくなっています。例えば、回転寿司で日本一になった「スシロー」の原材料比率は50%、「俺のフレンチ」「俺のイタリアン」の原材料比率は60%、70%とも言われています。そして行列が出来るラーメン店では、原材料比率40%以上の店が多いのです。

 

3.飲食ビジネスの進化に乗り遅れない

昔は、飲食ビジネス=料理の時代がありました。要するに、料理が美味しかったら、それだけで巣客出来る時代があったのです。
ところが今は、アート(芸術、美的感覚)、ユーモア(楽しさの演出、実演自家製麺)、サイエンス(科学の世界、デジタルークッキング等)、哲学(ポリシー、コンセプトの明確さ)が必要な非常に複雑なI
時代になりました。現在は、「飲食ビジネス=料理×アート×サイエンス×ユーモア×哲学」です。常に進化が重要なのです。

4.消費税アップを実演自家製麺で乗り切る

もし、仕入麺で経営されているのであれば、実演自家製麺にすることにより、楽しさ・美味しさの演出が出来る上に、大幅なコストダウンが出来、さらに防腐剤等を一切使用しないで、安全で高品質な麺を作ることが出来るようになります。消費税がアップしても値段を上げないで、コストダウンが出来、更に集客アップが見込めます。

 

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