【藤井薫が語る】麺業界生き残りのために今、知っておくべきこと

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今回は麺業界を勝ち抜くための情報、知識を大きく3つに分けてお話しましょう。

最新の麺業界トレンド ~麺業界に起きている大きな地殻変動~

うどんそば業界、ラーメン業界とも多産多死型のビジネスで、毎年の開店数と閉店数はほぼ同数です。うどんそば業界が約3,000店、ラーメン業界が約3,500店と、ずっと開店しては閉店を繰り返して推移してきたのです。
しかし、咋年の当社の調査によれば、ラーメン業界は以前にも増して多産多死型のビジネスに傾斜し、以前の年間平均3,500店の開店・閉店から、年間3,800店へと増えています。

そして、うどんそば業界は多産多死型から少産多死型へ流れが変わり、新規開店数が2,600店弱と減少、閉店数は以前と変わらず約3,000店です。

2013年のうどんそば店とラーメン店

2013年のうどんそば店とラーメン店

 

ただ、うどんそば業界全体の市場規模は減少していません。結果分かったことは、大型セルフのチェーン店が増え、既存のうどんそば店が大量に閉店しているのです。大型セルフのチェーン店が1店増えると、近隣の個人経営の小規模うどんそば店が数店なぎ倒されている計算になります。

ところで、昨年一年の外食全体の動向は、日本経済新聞(2013年12月26日号)によれば、

日本経済新聞(2013年12月26日号)より

日本経済新聞(2013年12月26日号)より

 

となっています。

アベノミックスの経済誘導により円安が加速し、輸入食材を多用する吉野家、マクドナルドなどの収益を直撃したのです。反対にアベノミックスの結果景気浮揚が図られ、価格の比較的高い上質志向のファミレスや上質志向のコンビニが大きく伸びました。

これからのお手軽志向のファーストフードは、コンビニとの競争になることが想定され、うどんそば店においてもお手軽志向の方向でいけば、当然ライバルはコンビニとなり、し烈な競争に巻き込まれてしまうわけです。

 

上質とお手軽の違い

上質とお手軽の違い

 

今後の麺ビジネスの方向性  ~10年後の麺ビジネスの世界~

日本は世界でも例を見ない、コンビニが非常に強い国です。これからの外食産業はお手軽志向でいけば、必ず最強のライバルであるコンビニとの競争はさけることができません。従って、絶対にお手軽志向に向かわないことが重要になってきます。セブンイレブンなどのコンビニが現在狙っているのは麺市場です。

ちなみにセブンイレブンの弁当売り場の半分以上のメニューは麺で、最近ではパスタ類が一番多いのです。 つまり、コンビニでは絶対に対応できない商品力、サービスカ、店舗力の構築が今後の麺ビジネスには必重要課題になってきます。

 

生き残り、勝ち残るための戦略  ~小が大に勝つ戦略~

小が大に勝つ戦略は次の2つだけです。

①競争変数を増やす 

現在、うどん業界はセルフの大手企業が成功し、ラーメン業界には大手企業が存在しません。その大きな違いは、ラーメン業界は、麺、スープ、香味油などの差別化要因、すなわち競争変数が非常に多いのです。だからラーメン業界は、うどんそば業界と比べて大変小さな企業はもちろん、個人事業主が主役で、活性化しています。
ボストン・コンサルテイングーグループが提唱しているアドバンテージーマトリックスによれば、競争変数が多ければ多いほど、企業規模が大きくなるほど、儲からなくなり、大企業は参入出来ないのです。ラーメン業界はまさにこの状態なのです。

したがって、麺・だし・トッピング・盛り付け・サービス方法・店舗作りとあらゆる方向で他店の真似をせず、差別化要因を徹底的に増やすことが重要です。

②際立った個性

テレビの業界でも、長く生き残っている芸能人は強力な個性のある人だけです。美男子でも美人でも長く生き残ることは出来ません。世間一般のビジネスでも同じです。自動車業界のような数量で勝負する業界でも、販売台数の非常に少ない、フェラーリやポルシェ、ロールスーロイスはしっかり生き残っています。

彼らは他の車と全く異なる圧倒的な差別化で成功しているのです。どんなビジネスにおいてもこの原理原則は通用します。うどんそば業界でも「つるとんたん」のように圧倒的な差別化で強いポジションを築いているお店があります。

これは私が2013年5月に19日間かけて巡った北米のレストランビジネスも全く同様でした。長く成功しているのは、圧倒的な個性を打ち出して成功している店舗ばかりだったのです。

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今回は「麺業界を勝ち抜く」というテーマでお話しましたが、大和製作所では、常に最新の情報を集取しています。詳しく知リたい方は、弊社の開催する経営講義や各地のドリームスタジオで開催しているセミナーにご参加ください。

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